福島RDMセンターはフルPC建築です。
その際、PC部材は箱を作るように組み立てて作り上げます。

その時、構成する部品それぞれがまっすぐに作られているのか、ひずみなく作られているのか事前確認をする必要がありました。

一見なんの変哲もない部材ですが、この柱は10mを越える大きな工業製品です。
この部材の端から端までを隅々までFARO Foucus S Pulus 350でスキャンを行いました。
結果、右図のように(青~緑色)最大3㎜程のひずみが発生していることが分かります。
実際に建付けられたものをチェックします。

このスキャン図は建付け直後のスキャン映像です。これからわかることは両サイドの端部の開きが規定の位置から21㎜ズレていることが分かります。
このスキャンを持って次のように調整しました。

-21㎜のズレがあった柱の位置を-5mmまで修正しました。この時点では本当に梁が綺麗に乗るのかわかりません。
次にこの上に設置される梁を見てみます。



PC部材は強度を高めるために部材に圧力をかけます。これを緊張と呼ぶのですが、私たちはこの行為が部材が製造されたときから設置するまでに変形させる原因になり、かつ工事が中断する原因になるのではないかと考えていました。
すでに説明した通り、私たちは建て付けられた柱の誤差を最小限に抑えています。しかし、梁を設置する際に、梁事態にひずみがあれば建付けに問題が発生することが分かるはずです。
実際に検査をしてみると、左右からかけられた圧力によって、梁部材が上方向に変形していることが分かりました。
これにより、柱と梁の組み合わせを事前に推定することができ、手戻りのない結果を出すことに成功しています。

上記図は柱の上部に微小なひずみが起こり、許容範囲内での隙間が発生していることが推定できている状況です。
これらの微小なズレを検査することができるのはFARO Foucus S Pulus 350の精度あってこそです。
大型建築でも精密な工業製品を扱うPC構造設計ではこのような高性能なスキャナが大いに活躍することが分かりました。
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